小児矯正〈子供さんの矯正〉症例2その2
上記写真は、当時8歳の女児の、2017年2月時点における下顎の歯並びです。下顎前歯(青色矢印)がかなり内側に萌出している様子が確認できます。
次の写真は、2017年8月時点の同様の部位です。下顎前歯(青色矢印)が前方へ誘導され、きれいに並びつつあるのが認められます。
当院、みらい歯科・矯正歯科クリニック では、取り外し式の筋機能矯正装置(例:〈マイオブレイス〉、〈K1〉、〈プレオルソ〉)をお使いいただき、日中1〜2時間および就寝時に装着していただきました。同時に、あいうべ体操など代表的な口腔筋機能療法(MFT)を継続して実践していただいた結果、矯正開始後わずか6か月という短期で歯並びが劇的に改善されたのがご覧いただけると思います。
もしこの女児が成人してから矯正を始めていたら、どうなっていたでしょうか?
想定されるのは、上下顎ともに犬歯の後ろに生える左右の小臼歯を計4本抜歯し、ブラケット(ボタン)とワイヤー装着による「抜歯矯正」になっていた可能性が高いでしょう。そして、十分に成長できなかった上下顎に無理に歯を並べることになり、後戻り(元の悪い歯並びに戻ること)に悩まされることになるのです。
顎が小さいということは口腔内の容積が少ないということで、舌の動ける範囲が制限されてしまうのは容易に想像できるでしょう。舌が窮屈に感じると脳にストレスが蓄積し、歯ぎしり・食いしばりが生じ、就寝時に舌が後方に下がることで、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)が発生する可能性も指摘されています。また、偏頭痛の発症にも関わるという専門家の見解もあります。
左上の写真は、2017年2月時点の正面から見た歯並びです。下顎前歯(青色矢印)がかなり内側に萌出しており、上顎前歯(白色矢印)も「八の字」に萌出しているのが確認できます。
右上の写真は2017年8月時点の同様の正面写真です。やはり下顎前歯(青色矢印)が前方に整列され、上顎前歯(白色矢印)の「八の字」状の萌出が改善されつつあるようすがうかがえます。
なお、治療期間は6か月(現在治療中)、来院回数は6回、治療費は調整料を含めて336,960円(税込)でした。
なぜこんなに短期間で歯並びが改善傾向を示すのでしょうか?
歯とは、頬・唇・舌から絶えず力を受けており、力の均衡がとれた場所に落ち着きます。したがって、口の周囲(舌を含む)の筋肉が弱い、口呼吸、正しくない嚥下(つば飲み込みの動作)などによって正常でない力が歯に作用すれば、正しい歯並びや咬み合わせを得ることが困難になってしまいます。
また、日常の食生活によっても歯並びは悪化します。
硬いものをあまり食べない、十分に噛まずに水やお茶で流し込むことが多い、前歯で噛み切る習慣が少ないといった状態が続くと、歯を支えている骨に力が伝わりにくくなります。すると骨は十分に成長せず、顎が小さくなり、歯がきれいに並ぶスペースがなくなってしまうのです。
つまり、正しい食習慣・正しい姿勢・正しい嚥下(唾ゴックン)・口輪筋(舌や口周りの筋肉)の筋力向上を得られれば、自然に正しい歯並び・咬み合わせを得ることが可能です。
当院で導入している筋機能矯正装置(〈マイオブレイス〉、〈K1〉、〈トレーナー〉、〈プレオルソ〉)は、口の周りの筋肉の正しい機能を達成するための補助装置です。
正しい習慣を身につけることで“自然に得られた歯並び・咬み合わせ”だからこそ、後戻り(元の悪い咬み合わせに戻ること)が少ないのは当然のことです。
当院は三木市だけでなく、神戸市西区・神戸市北区・明石市・小野市・加東市・加西市など、遠方からのご来院もいただいております。前歯の歯並びを気にされている方は、一度お気軽にご相談ください。
当院の矯正治療についてご相談ごとがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。”