誤嚥性肺炎とは？仕組みと日常で意識したいポイント
今日は「誤嚥性肺炎」についてお話しします。
■誤嚥性肺炎とは？
誤嚥性肺炎は、飲み込む機能が低下することで、食べ物や唾液などが誤って気管に入り、その後肺に炎症が起きる状態を指します。
高齢者や脳梗塞の既往がある方にみられることがあり、飲食時だけでなく、気づかないうちに唾液や胃内容物が入り込む場合もあるとされています。
■主な症状
咳
痰
発熱
呼吸がしにくい
意識がぼんやりする
※寝たきりの方では症状が分かりにくいこともあります。
■高齢者で誤嚥性肺炎が起こりやすい理由
口腔内の細菌が増えやすくなる
（口腔清掃不足や唾液量の低下が関係するといわれています）
加齢による免疫機能の低下
気管に入ったものを押し戻す力の低下
■飲み込む力の簡易チェック
次の方法は、自分の飲み込む回数を確認する目安とされています。
のどぼとけのあたりに指先を軽く当てる
30秒間、飲み込む動きをできる範囲で繰り返す
のどぼとけが上下する回数を数える
一般的に、高齢の方で30秒間に3回ほど飲み込めると、目安として正常範囲とされています。
※あくまで簡易的なチェックであり、診断を行うものではありません。
■飲み込みをサポートする体操例
飲み込む機能を意識して動かすための方法として、次のような体操が紹介されることがあります。
●パタカラ体操
口や舌、のどまわりの筋肉を動かす体操です。
パ：唇をしっかり閉じる動きを意識
タ：舌を上あごにつける動きを意識
カ：のどを使って発音
ラ：舌先を上の前歯の裏側へ動かす
食事前に行うと飲み込みやすさにつながる場合があると言われています。
■誤嚥性肺炎を避けるために日常でできること
口の中を清潔に保つ
（細菌が増えると、誤って気管に入った際に炎症につながる可能性があるため、清掃が大切とされています）
口や舌を動かす体操を取り入れる
気になる症状があれば早めに医療機関へ相談する
誤嚥性肺炎は高齢の方では特に注意が必要とされており、口腔環境の管理が重要な役割を持つとされています。
みなさまのお口の状態について気になる点があればお気軽にご相談ください。