誤嚥を防ぐために知りたい“嚥下”の基本とセルフケア

最近、食事中や何気ないときに「むせる」ことはありませんか?
食べ物や飲み物を飲み込む動作は「嚥下(えんげ)」と呼ばれます。
喉の奥には食道と気管があり、わずか0.5~0.8秒ほどの短い時間で、多くの筋肉や神経が連動しながら飲み込む動作を行っています。
■ 嚥下時と呼吸時の違い
食べ物がないとき:
喉は気管と通じており、通常どおり呼吸が行われています。
飲み込みの瞬間:
声門や喉頭蓋(こうとうがい)といった部分がフタの役割をし、食べ物や唾液が気管に入らないように働きます。
この仕組みが「誤嚥(ごえん)」を防ぐための重要な働きです。
■ むせやすくなる主な原因
飲み込みづらい、むせることが増えてきた…という場合、次のような要因が関係していることがあります。
① 加齢による身体の変化
唾液の減少
咀嚼(そしゃく)力の低下
反射機能の低下
筋力の低下
② 疾患や薬の影響
脳卒中や神経疾患、認知症などの後遺症・症状
薬の副作用
これらの変化によって飲み込む際の動きやタイミングが乱れ、むせやすさにつながることがあります。
■ 注意が必要なのは「誤嚥による肺炎」
誤って食べ物や唾液が気管に入ると、誤嚥性肺炎につながる場合があります。
特に高齢の方では注意が必要です。
加齢による変化が気になる場合は、口周りや舌の筋力を保つためのトレーニングを取り入れることが役立つことがあります。
■ 食事前におすすめの「パタカラ体操」
口の周りや舌を動かすことで、嚥下に関わる筋肉を意識しやすくなります。
●「パ」
唇をしっかり閉じて発音
→ 唇を開け閉めする力を使います
●「タ」
舌の先を上あごにつけるように発音
→ 舌先の動きを鍛える動作
●「カ」
舌の奥を喉に近づけるように発音
→ 飲み込みに関わる舌の奥の動きに関係
●「ラ」
舌の先を丸めて動かし、上の前歯の裏につけて発音
→ 舌全体を動かすトレーニング
「パ・タ・カ・ラ」をそれぞれ連続して発音し、食事前に行うのが理想的です。
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