小児矯正〈子供さんの矯正〉症例1その7
綺麗な歯並びや噛み合わせは、生涯にわたり大切な資産です。
では、理想的な歯並びを得るためには、どのような方法があるのでしょうか?
最も効果的な時期は、上顎・下顎の骨の成長が活発な子どもの成長期です。この時期に、良好な口元・顔立ち・歯並び・噛み合わせの基礎を築くことが重要です。
とくに、受け口が見られるお子さまは6歳前後、その他の場合は上下の前歯が4本ずつ生えそろう小学校2年生頃(8歳前後)に一度、歯科を受診されることをおすすめしています。必要に応じて早期に矯正治療を始めることで、将来的な負担を軽減できる可能性が高まります。
現在、日本の子どもの約3人に2人が歯並びや噛み合わせに何らかの問題を抱えていると言われています。これは、顎が小さくなっていることが主な要因で、結果として永久歯が整って並びにくくなっているのです。
食生活の変化により、加工食品の摂取や外食の頻度が増加し、それに伴って口呼吸や口輪筋の発育不足、不適切な嚥下、舌の位置異常や舌癖などの問題が見られるようになっています。
【理想的な口腔機能の条件】
・口を閉じ、鼻呼吸ができている
・舌の先端が上あごにしっかり当たっている
・よく噛む習慣が身についている
これらを目指すため、当院では取り外し式の矯正装置を活用しています。
左上の水色の装置(実際は透明色)は、筋機能矯正装置〈マイオブレイス・K1・トレーナー・プレオルソ〉と呼ばれるもので、やわらかいシリコン製の上下一体型マウスピースです。就寝時と帰宅後1時間程度の使用を推奨しています。
当院では、この筋機能矯正装置の装着が難しい症例には、まずピンク色の床矯正装置(ヨーロッパで発展)を使用し、その後、筋機能装置に移行する方法を採用しています。
筋機能矯正装置(トレーナー)は、正しい口腔機能を身につけるためのリハビリ装置でもあります。十分な効果を得るには、正しい使用とご家族の協力が不可欠です。
従来の矯正治療では、歯並びや噛み合わせが悪化した原因に着目せず歯だけを整える場合があり、そのため装置除去後に「後戻り」や、顎関節・歯周病の問題が生じるケースも見られました。
一方、筋機能矯正では、歯並びに影響を与える要因そのものにアプローチするため、安定した状態を保ちやすい点が特徴です。
なお、矯正装置は症例や成長段階に応じて適切に切り替えながら使用し、平均して3〜4種類の装置を活用するケースが多く見られます。
また、特定の症例では、写真にあるような固定式装置を併用する場合もございます。固定式装置はお口の中に常時存在するため、歯磨きのしにくさや舌の癖を引き起こす可能性があり、必要最小限の使用にとどめています。
みらい歯科・矯正歯科クリニックでは、三木市をはじめ、神戸市西区・神戸市北区・明石市・小野市・加東市・加西市など、広範囲から多くの患者さまにご来院いただいております。
当院が目指すのは、顎の成長を促し歯が自然に整うことで、理想的な噛み合わせに近づけることです。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。